出力したばかりのターポリンを床に広げると、青空のグラデーションに一定間隔の横縞が入っている。前の週に同じデータで出したものには、縞はなかった。設定も、メディアも、インクも変えていない。オペレーターは「パス数を上げれば消えます」と言い、実際そのとおりになる。
それで問題は解決した。ただし、なぜ縞が出たのか、なぜパス数を上げると消えるのかは、誰も説明していない。次に別の症状が出たとき、また手探りが始まる。
大判出力の品質問題は、症状と対処の対応表として覚えられがちである。しかし、そのほとんどは「1 滴ずつインクを飛ばして絵を作っている」という 1 点から導ける。この記事では、点で絵を作るという原理から、階調の作り方、パスという考え方、症状から原因へ遡る方法、そして解像度を視距離から決めるという判断までを扱う。
縞が出る、粒が見える、色が変わる
まず、大判出力で出てくる不具合を並べておきたい。
| 症状 | 現場でよく言われる対処 |
|---|---|
| 一定間隔の縞が出る(バンディング) | パス数を上げる、ヘッドを掃除する |
| 粒が見える、ざらつく | 解像度を上げる |
| 色が前回と違う | プロファイルを当て直す、機械を調整する |
| にじむ、輪郭が甘い | インク量を下げる、メディアを変える |
| 乾かない、こすれる | 速度を落とす、乾燥を強める |
| 細い線が消える、文字が潰れる | データを直す |
右の列は、どれも実際に効く。問題は、なぜ効くのかが共有されていないことである。だから、当たらなかったときに次の手が出ない。
大判出力は「点を置いている」だけである
原理は驚くほど単純である。微小なインクの滴を、決められた位置に飛ばして置いている。それだけである。
版もない、圧もない、転写もない。ヘッドがメディアの上を走りながら、必要な位置で滴を吐き出す。絵柄は、置かれた点の集合として現れる。
この方式が持っている、決定的な利点
版を作らないという性質から、いくつもの利点が出てくる。
- 1 枚から作れる — 版代がないので、少量でも成立する
- 大きさの制約が少ない — ヘッドが走る幅と、メディアの長さで決まる
- 圧をかけない — 凹凸のあるメディア、柔らかいメディアにも出せる
- 1 枚ずつ内容を変えられる — 店舗名や地域名を差し替えられる
屋外の看板が、かつての手描きやカッティングから出力へ置き換わった理由は、この 4 つに集約される。とくに 1 番目が決定的だった。1 枚だけの看板を、写真入りで、安く作れるようになった。
そして、すべての不具合もここから出てくる
同時に、点で絵を作るという性質は、そのまま制約になる。
- 点が見えることがある — 近づけば、点の集合であることが分かる
- 点を置く位置がずれると、跡が残る — ヘッドの走りの精度が、そのまま品質になる
- 点が置かれなければ、そこは空く — ノズルが詰まれば、線状に抜ける
- 点が広がると、輪郭が甘くなる — メディアの上でインクがどう振る舞うかに依存する
先の症状の表は、この 4 つで説明できる。順に見ていく。
階調をどう作るか — 点の大きさと重なり
写真のような連続的な階調を、点だけでどう作るのか。方法は 2 つしかない。点の数を変えるか、点の大きさを変えるかである。
数を変える
同じ大きさの点を、まばらに置けば薄く、密に置けば濃くなる。離れて見れば、目は平均として色を捉える。これが階調の基本である。
この考え方は、印刷の網点と同じである。違うのは、網点が規則正しい格子に並ぶのに対し、出力では点の配置を意図的に散らすことが多い点である。規則的に並べると、模様として見えてしまうからである。
大きさを変える
もう 1 つの方法が、吐き出す滴の大きさを変えることである。小さい滴を使えば、薄いところをより滑らかに表現できる。
ここに、実務でよく効く関係がある。点が小さいほど、粒は見えにくくなる。そのかわり、同じ濃さを出すのに必要な点の数が増え、時間がかかる。
「粒が見える」の正体
以上から、粒状感の正体が分かる。点が、見る距離に対して大きすぎるということである。
対処は 3 方向ある。
- 点を小さくする — 設定で滴の大きさを変える。時間はかかる
- 点を密に置く — 解像度を上げる。これも時間がかかる
- 見る距離を確認する — そもそも、その距離で粒が見えるのか
3 番目が抜けやすい。出力したものを机の上で 30cm から見て「粒が見える」と判断し、実際には 10m 先に掲げられるということが起きる。判断する距離を間違えると、必要のない設定変更をして時間を失う。
何回に分けて塗るか — パスという考え方
次に、冒頭の縞の話に戻る。ここで効いているのが、同じ場所を何回に分けて塗るかという設定である。
1 回で塗り切ると、何が起きるか
ヘッドが 1 往復するあいだに、そこに必要なインクを全部置いてしまう方式が最も速い。そのかわり、1 回ごとの誤差がそのまま帯として残る。
誤差は必ず生じる。ヘッドの端と中央でわずかに吐出量が違う、メディアの送り量が微妙にずれる、ノズルが 1 本詰まっている。これらが、ヘッドの幅と同じ間隔の縞になって現れる。これがバンディングである。
つまり、縞の間隔がヘッドの幅と一致していれば、原因はほぼここにある。この見分け方は覚えておく価値がある。
複数回に分けると、なぜ消えるのか
同じ場所を、位置をずらしながら何回かに分けて塗る。すると、1 回ごとの誤差が同じ場所に集中せず、平均化される。
ノズルが 1 本詰まっていても、別の回に別のノズルが同じ場所を通るので、完全な抜けにはならない。送り量のずれも、複数回に分散する。これが、パス数を上げると縞が消える理由である。
そして、当然ながら時間は増える。4 回に分ければ、単純には 4 倍の時間がかかる。品質と速度は、ここで直接に交換されている。
だから、設定は用途から決まる
この関係が分かると、設定の選び方が変わる。
- 近くで見られる、階調が重要 → パス数を上げる。時間をかける
- 遠くから見る、ベタ中心 → パス数を下げてよい。時間を優先する
- 枚数が多い → 1 枚あたりの時間差が全体に効く。試し出しで最低限を探る
「いつも同じ設定で出している」という運用は、時間かコストのどちらかを無駄にしている。定番の用途ごとに設定を決めておくだけで、生産性は変わる。
手描きの看板から、点で描く機械へ
ここで、この技術がどう置き換わってきたのかを見ておきたい。
3 つの段階
屋外の大きな絵柄を作る方法は、大きく 3 段階を経ている。
最初は塗ることだった。職人が下地を作り、割り付け、塗料で描く。色は塗料そのものの色であり、階調も筆で作る。1 枚ずつ違い、同じものは二度と作れない。
次が切って貼るである。着色済みのフィルムを機械で文字の形に切り抜き、貼る。品質は安定し、同じものを何枚でも作れるようになった。ただし、切り抜いて貼る以上、階調のある絵柄は作れない。
そして点を置く方式が来た。白いメディアの上に、微小な滴で絵を描く。写真もグラデーションも出せるようになった。
置き換わったのは「作り方」だけである
ここで、前に 屋外の看板はなぜ色あせるのか でも触れた点を繰り返しておきたい。技術が変えたのは表現の幅と生産性であって、屋外の環境ではない。
紫外線も、熱も、雨も、以前と同じだけ降ってくる。そして、貼るのはいまも人である。出力の技術がどれだけ進んでも、耐候性と施工の話は別に残る。
カッティングが残っている理由も、同じ構造で説明できる
点を置く方式は、階調を作れるという圧倒的な利点を持つ。それでもカッティングが残っているのは、「点で作っていない」ことが利点になる場面があるからである。
着色済みのフィルムは、表面が削れても色が失われない。粒も存在しない。そして、背景の白い四角が出ない。ガラスや壁に文字だけを貼れる。
技術は積み上がるものであって、必ずしも置き換わらない。点で作るか、色のついた素材を切るか。用途で使い分けるという結論になる。
症状から原因へ — 現場での切り分け
原理を押さえたところで、冒頭の表に戻る。症状から原因へ遡れるようにしておきたい。
縞が出る
まず、縞の間隔を測る。これが切り分けの出発点になる。
- ヘッドの幅と同じ間隔 — 吐出のむら、送りのずれ、ノズルの詰まり。パス数を上げるか、ヘッドの状態を確認する
- もっと細かい、不規則 — メディアの表面か、インクの広がり方。メディアと設定の相性を疑う
- 特定の色だけに出る — その色のノズルの問題である可能性が高い
間隔を測らずにパス数だけ上げるという対処は、当たることもあるが外れることもある。原因が別なら、時間だけを失う。
色が前回と違う
色の変動には、複数の原因がありうる。切り分けの順序を決めておくと速い。
- メディアのロットが変わっていないか — 表面の状態が変われば、インクの広がりも色も変わる
- インクのロットや、交換のタイミング
- 設定(パス数・インク量・プロファイル)が同じか
- 機械の状態 — ノズルの詰まり、位置の調整
- 見ている環境 — オフセット印刷の色はなぜ合わないのか で見たとおり、光が違えば色は違って見える
最後の項目は、意外に多い原因である。前回は夕方に事務所で見て、今回は昼に窓際で見ている。これだけで印象は変わる。色の判断をする場所を決めておくのは、大判出力でも同じである。
にじむ、輪郭が甘い
置かれた滴が、メディアの上でどこまで広がるかの問題である。広がりすぎればにじみ、広がらなければ点が繋がらず、ざらつく。
ここを決めているのは、メディアの表面処理とインクの相性である。設定で調整できる範囲を超えていれば、メディアかインクを変えるしかない。「設定でなんとかする」には限界がある。
乾かない、こすれる
吸わないメディアでは、乾燥は機械が担う。速く走るほど、乾燥にかけられる時間は短くなる。速度を落とす、乾燥を強める、インク量を減らす。どれも効くが、それぞれ副作用がある。
この関係は フィルムに刷るということ で見た構造と同じである。吸わない材料に刷るなら、乾燥は工程として設計する対象になる。
インクとメディアの相性が、半分を決めている
ここまで設定の話をしてきたが、実は設定で動かせる範囲は、材料の組み合わせで決まっている。
メディアは「受け止める側」である
滴が飛んできたとき、それをどう受け止めるか。表面が滑らかで吸わないものもあれば、インクを受け止める層が設けられているものもある。この違いが、にじみ、発色、乾き、そして耐久性を決める。
だから、「このインクなら、このメディア」という組み合わせが前提になる。相性の悪い組み合わせでは、どれだけ設定を詰めても限界が来る。
定番の組み合わせを記録しておく
実務でいちばん効くのは、自社で使う定番の組み合わせについて、設定と結果を記録しておくことである。
- メディアの銘柄と、そのロット
- 使った設定(パス数、インク量、プロファイル)
- 出力した日と、そのときの室温・湿度
- 仕上がりの評価と、問題があればその内容
これがあれば、「前回と同じに」という依頼に応えられる。そして、条件が変わったときに何が違うのかを特定できる。記録がなければ、毎回が初回になる。
新しいメディアは、必ず試してから使う
安いメディアが見つかったとき、そのまま本番に使いたくなる。ここは必ず試し出しを挟みたい。
仕上がりだけでなく、時間が経ってからの状態も見る。乾いた直後は問題なくても、巻いて保管したら裏移りした、ラミネートを掛けたら浮いた、ということが起きる。屋外に出すなら、掲出後の変化まで見たい。
巻いたものに刷るか、板に直接刷るか
もう 1 つ、大判出力を理解するうえで押さえておきたい区分がある。メディアをロールで流すか、平らな台に置いて刷るかという違いである。
ロールで流す
フィルムや幕、紙をロールから繰り出しながら出力する方式である。長いものが作れるのが最大の利点で、懸垂幕や壁面のグラフィックはこの方式でしか作れない。
そのかわり、ロールで扱える柔らかい素材に限られる。そして、フィルムに刷るということ で見たとおり、張力の管理が品質に直結する。緩ければずれ、きつければ伸びる。
平らな台に置いて刷る
もう一方は、板状のものを台に置き、その上をヘッドが走る方式である。厚みのある、硬い素材に直接出せる。アクリル、金属、木、そして段ボールにも。
この方式の価値は、「貼る」という工程を省けることにある。板に貼るためにフィルムへ出力し、それを施工する。この 2 工程が、1 工程になる。手間も、貼りの失敗も減る。
制約は寸法である。台の大きさを超えるものは作れない。そして、厚みのある素材を扱うぶん、1 枚ごとの段取りが発生する。連続で流すロールの方式より、枚数をこなす効率は落ちる。
どちらを選ぶかは、最終形から決まる
| 作りたいもの | 向いている方式 |
|---|---|
| 懸垂幕・のぼり・壁面グラフィック | ロールで流す |
| 車両・曲面への施工 | ロールで流す(追随する素材が要る) |
| 看板板・パネル・什器 | 平らな台に置いて刷る |
| 紙器・段ボールの試作 | 平らな台に置いて刷る |
両方を持てる会社は多くない。自社にない方式の相談が来たときに、外注先を持っているかどうかが受注の可否を分ける。この分野では、設備を持つことと、持たない部分を手配できることの両方が価値になる。
出力したあとに、まだ工程がある
出力機の話に集中していると忘れがちだが、出力は仕上がりの半分でしかない。そのあとに、保護と加工と施工が続く。
ラミネートは、出力の一部と考える
屋外に出すもの、人が触れるものには、表面を保護する層が要る。屋外の看板はなぜ色あせるのか で詳しく扱ったとおり、紫外線が色材に届く量を減らすことは、インクを変えるより効くことが多い。
そして、ラミネートを掛けると色が変わる。艶ありなら濃く深く、艶消しなら浅く見える。出力したままの状態で色を確認して承認をもらい、加工後に「違う」と言われる、という事故はここから起きる。
対策は単純で、加工した状態のサンプルで確認する。手順を変えるだけで、費用はかからない。
仕上げの工程
カット、ハトメ、袋縫い、パネルへの貼り込み、フレームへの取り付け。これらの工程が、実は納期の大半を占めていることがある。
出力そのものは数時間でも、乾燥を待ち、ラミネートを掛け、カットして、仕上げる。「出力は何分」という話と、「いつ納品できるか」はまったく別である。見積りと納期の回答では、ここを分けて考えたい。
データの側で、仕上げを見込む
そして、仕上げの方法はデータに影響する。
- ハトメを打つ位置 — 絵柄の重要な部分に穴が開かないようにする
- 袋縫いの折り返し — 見えなくなる分だけ、絵柄を伸ばしておく
- パネルへの巻き込み — 側面に回り込む分の余白が要る
- カットの逃げ — 断裁と同じく、必ずずれる。端ぎりぎりに文字を置かない
これらは、仕上げの方法が決まっていなければ指定できない。だから、データを作る前に仕上げを確定させる。順序を逆にすると、作り直しになる。
解像度は「視距離」から決める
最後に、設定を決めるときの基準について書いておきたい。大判出力でいちばん無駄が生まれやすいのが、必要以上に高い設定で出すことである。
人が細部を見分けられる限界がある
目が細部を判別できる能力には限りがあり、距離が伸びればその限界は比例して緩む。10m 先の看板で、1mm の点を見分けることはできない。
したがって、必要な解像度は「どこから見られるか」で決まる。手に取って見るパネルと、ビルの壁面に掲げる幕では、必要な密度が桁で違う。
高い設定に倒す誘惑
それでも、迷ったら高いほうを選びたくなる。失敗しないからである。しかし、高い設定は時間・インク・データ量のすべてを余分に消費する。
とくに大判では、面積が大きいぶん影響も大きい。1 枚あたり 30 分の差が、20 枚では 10 時間になる。この差は、機械 1 台の生産量をそのまま左右する。
だから、受注時に聞く
結論は単純である。「どこに、どれくらいの距離から見られるものですか」と聞く。この 1 問で、設定もデータの解像度も決まる。
そして、これは 入稿データはなぜ同じ形で壊れるのか で見た「実効解像度は配置した実寸で決まる」という話と同じ構造である。データを作る側にも、この基準を伝えておきたい。不必要に大きなデータは、処理の時間も消費する。
色を「前回と同じ」にするには
大判出力でとくに相談が多いのが、再現性である。同じデータ、同じ機械なのに、前回と色が違う。ここには、押さえるべき順序がある。
変わりうる要素を、順に潰す
色が変わったとき、原因はどれか 1 つとは限らない。影響の大きい順に確認していく。
| 順 | 確認すること | なぜここから見るか |
|---|---|---|
| 1 | メディアが同じ銘柄・同じロットか | 受け止める側が変われば、色は最も大きく動く |
| 2 | 設定(パス数・インク量・プロファイル)が同じか | 記録がなければ、ここで詰まる |
| 3 | 機械の状態(ノズル・位置調整) | 詰まりや調整のずれは、色にも出る |
| 4 | インクのロットや交換の時期 | 影響は小さいが、ゼロではない |
| 5 | 見ている環境(光・距離・角度) | ここが原因のことが、実際にある |
1 番目から見るのは、影響が最も大きいからである。メディアが変わっていれば、他をいくら調べても意味がない。
記録がなければ、再現できない
この確認ができるかどうかは、前回の条件を記録しているかで決まる。記録がなければ、2 番目の時点で止まる。
だから、定番の案件については出力のたびに条件を残す。面倒に見えるが、1 回あたり 1 分で済む。そして、「前回と同じに」という依頼に応えられるかどうかが、そのまま信用になる。
約束の仕方を変える
そのうえで、色をどこまで約束するかを先に決めておく。「前回と同じ」を無条件に約束すると、メディアの供給が変わった時点で守れなくなる。
実務的には、基準となる出力見本を作り、それに対して合わせるという形が確実である。オフセット印刷の色はなぜ合わないのか で扱った「基準・評価条件・許容幅を先に決める」という考え方は、大判出力でもそのまま使える。
出力機では解決しないこと
限界も押さえておきたい。
屋外での寿命は、出力機とは別の話である
どれだけきれいに出力しても、掲出したあとの寿命は材料と施工と設置条件で決まる。ここは 屋外の看板はなぜ色あせるのか で扱った領域で、出力の設定では動かせない。
「きれいに出た」ことと「長くもつ」ことは、別々に検討する必要がある。
色域の外にある色は出ない
大判出力でも、原理は同じである。指定された色が、そのインクの組み合わせで出せる範囲の外にあれば、近づけることしかできない。とくに鮮やかな青緑や、蛍光に近い色は出にくい。
この点は受注前に確認しておきたい。ブランドの色が厳密に決まっている案件では、出力見本を先に作って合意を取るのが確実である。
データが足りなければ、機械では補えない
最後に、当たり前だが重要な点。元のデータの解像度が足りなければ、出力の設定をいくら上げても情報は増えない。
逆に言えば、視距離から必要な解像度を決めれば、データの要求も決まる。「できるだけ高解像度で」ではなく、「この距離で見るので、この密度あれば足ります」と言えるほうが、発注側にとっても親切である。
まとめ — 大判出力の現場で、明日から変える 5 つのこと
大判出力は、点を置いて絵を作っている。この 1 点から、階調の作り方も、縞の原因も、設定の意味も導ける。
- 縞が出たら、まず間隔を測る。ヘッドの幅と一致するかどうかで原因が分かれる
- パス数は品質と速度の交換である。用途ごとに標準の設定を決めておく
- 判断する距離を間違えない。机上で見て粒を気にしても、10m 先では見えない
- 定番のメディアと設定を記録する。「前回と同じに」に応えられるかは記録で決まる
- 受注時に「どこから見られるか」を聞く。設定もデータの解像度も、この 1 問で決まる
そして、屋外に出すなら耐候性と施工は別の検討になる。出力の品質と、掲出後の寿命は、別々に約束する。
サイン・大判の記事は サイン・大判 にまとめている。屋外での寿命は 屋外の看板はなぜ色あせるのか、色の合わせ方は オフセット印刷の色はなぜ合わないのか も参照してほしい。なお、屋外に広告物を掲出する際の手続きは自治体ごとに定めがあるため、掲出の可否は必ず所轄の窓口で確認してほしい。